任期満了に伴う日本医師会(日医)会長選が20日、公示された。中川俊男会長は当初、再選を目指して立候補する考えだったが、支持拡大が見込めず、一転不出馬の方向となった。日医関係者によると、周囲に不出馬を検討していることを伝えた。松本吉郎常任理事が出馬する意向を固めており、支持を広げている。24日に記者会見し、立候補を表明する予定だ。
中川氏は2年前の前回会長選で、5選を目指した横倉義武前会長を破り初当選した。だが、医療機関にサービスの対価として支払う令和4年度診療報酬改定で十分な実績を残せなかった。診察を受けなくても処方箋を一定期間繰り返し使える「リフィル処方箋」制度も日医の反対を押し切って導入が決まるなど、手腕を疑問視する声が上がっていた。
松本氏は埼玉県医師会出身。中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)の委員などを務めた。大阪府医師会出身の松原謙二副会長も出馬を探っているが、支持は広がりに欠いている。立候補の受付は6月4日まで。選挙戦になった場合、各都道府県医師会から会員数に応じ選出された代議員(376人)の投票で同月25日に選出される。