福岡空港が国際線ビル増改築 1600万人に対応

増改築後の福岡空港国際線ターミナルのイメージ
増改築後の福岡空港国際線ターミナルのイメージ

福岡空港を運営する福岡国際空港(FIAC)は、国際線ターミナルの大規模な増改築事業に着手し、20日に起工式を開いた。施設規模を現在の約2倍にまで拡大し、将来的な目標とする1600万人の国際線旅客数に対応できるようにする。国際線は新型コロナウイルスの感染拡大によって大幅に落ち込んでいるが、コロナ後の需要回復を見据え、積極的な投資に踏み切った。

増改築事業は令和7年3月末までの予定で、総事業費は500億円に上る。当初は2年11月に着工予定だったが、新型コロナの影響でずれ込んだ。7年3月には国が整備している2本目の滑走路の供用も始まる予定で、旅客数の増加に向けて相乗効果が期待される。

国際線ターミナルビルは、延べ床面積が現在の約2倍となる約13万6千平方メートルに拡大する。北側コンコースを延伸し、飛行機に乗り込むための旅客搭乗橋を現行の6基から12基に増設する。出発・到着手続きの時間短縮に向け、出発ロビーを拡張し、自動手荷物預け機を新たに導入するほか、保安検査場の検査レーンや到着時に手荷物を受け取るコンベヤーも増設する。

整備する免税店エリアのイメージ
整備する免税店エリアのイメージ

免税店エリアは現在の4倍となる約6千平方メートルに広げ、フードコートを新設するなど店舗の充実を図る。到着後、バスなど二次交通への乗り継ぎを便利にするためホールや国内線ターミナルとの連絡バス専用道も整備する。国際線から国内線への移動時間は現行の15分から5分に短縮する見通しだ。立体駐車場も新設する。

起工式では、FIACの永竿哲哉社長が「中長期的に増加するインバウンド(訪日外国人客)需要に十分対応できる東アジアトップクラスの空港として九州、西日本経済の発展に寄与できる」と事業の意義を強調した。

現在の国際線ターミナルビルは平成11年に供用を開始した。当時、240万人だった国際線旅客数は、コロナ禍前の30年度には690万人にまで達した。旅客数の増加によって出発・到着時の混雑や店舗サービスの不足など施設の手狭さが課題となっていた。

国際線ターミナルの増改築工事の起工式で挨拶する福岡国際空港の永竿哲哉社長
国際線ターミナルの増改築工事の起工式で挨拶する福岡国際空港の永竿哲哉社長

FIACは将来的な国際線の目標として、令和30(2048)年度に旅客数1600万人、67路線の就航を掲げている。ただ、国際線は新型コロナによって大きな打撃を受けている。3年度の旅客数はわずか2万6千人で、就航している21路線のうち、現在運航を再開しているのは6路線にとどまっている。

FIACの経営も、4年3月期決算は171億円の最終赤字を計上し、債務超過に陥っている。それでも、もともと九州、西日本の玄関口として航空会社による福岡空港への就航ニーズは高く、「今後は需要の回復が期待できる」として、500億円もの大きな投資を実行する。

永竿氏は「増改築が終わるころにはコロナ以前の旅客数や便数に回復し、その後も増えていくことを期待している。多様なエアラインに飛んでもらい、東南アジアを中心に選ばれる空港にしていきたい」と話した。(小沢慶太)

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