「自分に何が合うか、やってみなきゃ分かんないっしょ」。オリンピック4度出場など日本女子長距離界を牽引(けんいん)し、今年1月の大阪ハーフマラソンで現役を引退した福士加代子さん(40)は今、新たな人生のスタートラインに立っている。これからの「セカンドキャリア」。陸上競技での経験を生かして何にでも挑戦するつもりだ。
京都市内を流れる鴨川の河川敷を時々、ジョギングしているという。「声をかけられたり、『一緒に走ろう』と声をかけたり。引退して寂しいかな、と想像していたけど楽しくやっています」
そんなお気に入りの場所でインタビューをしていると、散歩中の夫婦に声をかけられた。すぐにはじける笑顔で「いいよー。写真撮ろうよ。イェーイ」。
福士さんがセカンドキャリアの拠点とするのは、選手時代から所属するワコール(同市)だ。スポーツグループで社内のさまざまな業務を担当し、持ち前の明るさで仕事を楽しんでいる。