「世界の数百万人人質に」 米国務長官、食料危機でロシア非難

国連安全保障理事会の会合で発言するブリンケン米国務長官=19日(AP)
国連安全保障理事会の会合で発言するブリンケン米国務長官=19日(AP)

【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は19日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、紛争と食料安全保障をめぐる公開会合を開いた。米国はブリンケン国務長官が出席し、ロシアがウクライナの穀物輸出を妨げて食料危機を引き起こし「世界の数百万人を人質に取った」と非難した。ロシアのネベンジャ国連大使は「西側の対露経済制裁が食料流通を停滞させた」などと激しく応酬した。

ブリンケン氏は会合で、食料危機の原因は「米国などの対露制裁ではなく、ロシアだ」と強調した。具体的には「ロシアがウクライナの食料生産や輸送に不可欠な水道や鉄道のほか、穀物の貯蔵施設を攻撃して破壊したうえ、黒海を封鎖しウクライナ産穀物の輸出を妨げている」と指摘した。

ブリンケン氏はまた、ウクライナでは「国民の3人に1人が食料を確保できなくなった」との世界食糧計画(WFP)の調査を紹介し、ロシアは「食料を武器として利用することで、武力侵攻で果たせていないウクライナ人の士気をくじく目標を達成できると信じているようだ」と訴えた。

ネベンジャ氏は、ブリンケン氏の指摘は「全くの誤りだ」とし、露軍は黒海での安全な航行を保とうとしているとして「海上輸送を妨げているのはウクライナの方だ」と持論を述べた。

ロシアは世界最大の小麦輸出国。露国家安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領は4月、「食料はわれわれの静かな武器だ」と交流サイト(SNS)に投稿し、非友好国に農産物を渡さない姿勢をみせた。ブリンケン氏はこの発言を会合で紹介し「メドベージェフ氏は『静かだが恐るべき武器だ』とも述べている」と訴えた。

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