「薪能(たきぎのう)」の元祖として知られ奈良発祥の4流派(観世(かんぜ)、金春(こんぱる)、宝生(ほうしょう)、金剛(こんごう))が競演する伝統行事「薪御能(たきぎおのう)」が20日、奈良市の興福寺南大門跡などで始まった。
新型コロナウイルス感染防止のため一昨年は中止、昨年は非公開となり、通常通りの開催は3年ぶり。この日は、鵜(う)を使って漁を行う鵜飼の業(ごう)を描く「鵜飼」(金剛流)などが演じられ、観客はかがり火のもとでの情趣ある舞を堪能した。
薪御能は平安時代に同寺の法会「修二会(しゅにえ)」で奉納された猿楽が由来といわれ、全国各地の野外能の源流とされる。4流派が演じるようになり、古都の名物行事として定着した。薪御能は21日も開催される。