浪速風

偉大な棋士と若き王者のはざまで

将棋の現役最年長棋士だった桐山清澄九段が、74歳で現役最後の対局を終えたのは先月27日だった。勝っても負けてもこの対局が最後と決まっていた。通算成績は996勝958敗。千勝にあとわずかと迫っていたが「精いっぱい指しましたので、悔いはありません」

▶藤井聡太五冠が初のタイトルを獲得した2年前の第91期ヒューリック杯棋聖戦第4局で立会人を務めたのが、桐山九段。最年長棋士の前で最年少タイトルホルダーが誕生した決着局で、開始時には主催者の一員として筆者も桐山九段の横に座った。もちろん正座

▶その正座がぎこちなかったのか、桐山九段から「正座は対局者が入ってきてからでいいですよ」とありがたいアドバイス。両者がそろい、初手を指せば席を外せる。が、藤井五冠は有名なルーチン「初手お茶」を繰り出す。直近で見られて感激したが、足ははや限界に。「いぶし銀」と「若き天才」のそばで己の鍛錬不足を悔いた。

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