パンダ食べ残しの竹をイカ産卵床に 和歌山・白浜AW

竹でつくった産卵床を設置するスタッフ=和歌山県白浜町沖(アドベンチャーワールド提供)
竹でつくった産卵床を設置するスタッフ=和歌山県白浜町沖(アドベンチャーワールド提供)

和歌山県白浜町の人気レジャー施設「アドベンチャーワールド(AW)」で暮らすジャイアントパンダ7頭が食べ残した竹の枝葉を集めて、アオリイカの産卵床とする取り組みがスタートした。AWスタッフや地元ダイバーらが製作し、町内3漁港沖に設置。8月ごろまで観察を続け、卵が産みつけられたかどうか確認するという。

竹を使った産卵床の製作作業=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド
竹を使った産卵床の製作作業=和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド

紀伊半島沖では、黒潮が「ひ」の字形に南に曲がる大蛇行が平成29年から異例の長期間、続いており、海洋生物への影響が懸念されている。白浜町の地元ダイバーによると、高級イカとされるアオリイカが産卵する海藻が減っているという。県内ではこれまでアオリイカの産卵床を、備長炭の原料となるウバメガシでつくった例がある。

海に入れられる産卵床=和歌山県白浜町沖
海に入れられる産卵床=和歌山県白浜町沖

今回の取り組みは、AWと町の事業で、和歌山南漁協、地元のダイビングショップが協力した。

初日はまず、AWでパンダが食べ残した竹の枝葉を使って約2メートルの産卵床を製作。コンクリートブロックの穴に竹を通し、30個をつくりあげた。重りとして沈める土嚢(どのう)も用意した。

続いて町内の湯崎漁港、瀬戸漁港、伊古木(いこぎ)漁港の沖合で、AWスタッフやダイバーが海に潜り、それぞれ産卵床を10個ずつ設置した。産卵シーズンは春から初夏にかけてといい、8月ごろまで観察を続ける。

AW広報課の新東貴行さん(42)は「来年も産卵シーズンに合わせてこの取り組みを続けたい。また、竹の幹を使って魚のすみかとなる場もつくりたい」と話した。

AWによると、パンダは主食となる竹を一日中食べ続けるが、食べ残しも多い。AWで暮らす7頭が食べ残す竹の量は1日で約200キロにもなるという。このため、AWは「パンダバンブープロジェクト」として食べ残された竹を有効活用する試みを続けている。

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