【ワシントン=渡辺浩生】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は18日の記者会見で、バイデン大統領の20日からの日韓訪問中に北朝鮮が核実験や長距離弾道ミサイルの発射を行う可能性があるとの分析を示した。バイデン政権は「あらゆる緊急事態に備えている」とし、日本、韓国の両同盟国と緊密な調整を続けていると強調した。
サリバン氏は会見で、日韓訪問の直前や訪問中、その直後にミサイル発射や核実験を行う可能性があるという情報機関の分析を示し、両方の実験が行われる可能性にも言及。地域の同盟国に提供する防衛と抑止力を確実にするため「短期、長期的な米軍態勢の調整を準備している」と述べ、「北朝鮮のいかなる挑発にも対処する」と強調した。
サリバン氏は、18日に中国外交担当トップの楊潔篪(よう・けつち)共産党政治局員と電話会談した際にも北朝鮮情勢について協議したとしている。
サリバン氏は、日韓訪問や日米豪印のクアッド首脳会合を通じ、ロシアのウクライナ侵攻への対応を主導する米国が21世紀を特徴付けるインド太平洋地域にも指導力と関与を示し、民主主義諸国の結束を示すことが歴訪の目的と強調。そのメッセージを「中国政府も聞くだろう」と語った。