山口県阿武町が4630万円を誤給付した問題で、一部を使用したとして、山口県警に電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された阿武町の無職、田口翔容疑者(24)。1年半ほど前に移住した町を気に入り、寡黙だが真面目な働きぶりで溶け込んでいたという。「こんなことをするとは…」。容疑者を知る人たちは、一様に驚きを隠さなかった。
田口容疑者に令和2年11月ごろから家を貸していた高齢男性は「もの静かだが、愛想は良かった」と人柄を語る。頼んでいた家の周りの草刈りも「しっかりとやってくれていた」。この町に移り住んだ理由を「自然の中で暮らしたかった」と語り、気に入って暮らしているように見えた。
同年12月から勤務していたホームセンターの店長は「真面目で、顔見知りのお客さんからよく声をかけられていた」と明かす。仕事の内容を積極的に質問し、覚えも早かった。先月20日に「役場ともめていて店に迷惑をかけるので」と本人から申し出て退職した。