韓国の大統領に5月10日、保守系政党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が就任し、5年ぶりに保守系政権が発足した。尹氏は親北親中路線に傾斜した文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の外交方針を大きく転換し、日米韓の安全保障協力を重視する構えだ。尹氏は北朝鮮を非核化に向かわせ、日韓関係も改善させることができるのか。南山大教授の平岩俊司氏と、龍谷大教授の李相哲氏に聞いた。
北は対決姿勢が前提 平岩俊司氏
尹錫悦政権の北朝鮮政策は、北朝鮮が非核化して改革・開放政策を取り国民1人当たりのGDP(国内総生産)が3千ドルになったら真剣に南北統一を考えようというかつての李明博(イ・ミョンバク)政権が打ち出した「非核・開放3000」政策の延長線上にあるとの印象を受ける。