中国海軍の成長は、新型コロナウイルス禍によっても遅れが生じていない-。米海軍協会(USNI)は5月に公表した報告書で、中国海軍が艦艇の増強にとどまらず、インド太平洋地域での作戦範囲を拡大させ続けていると警戒感を示した。中国海軍は建造を進めている3隻目の空母の進水が近いことを示す「におわせ動画」も公開するなど、海洋強国の実現に向けて着実に歩みを進めている。
USNIによると、中国が2021年に就役させた海軍艦艇は22隻に上る。米海軍の3隻と比べると7倍以上の規模だ。
中国海軍は20年末の時点ですでに「世界最大の海軍」の地位を得ている。同時点で中国海軍が保有する艦艇は360隻で、米海軍の297隻を上回る。
しかも米海軍大学校の「海軍大学校レビュー」は、中国海軍が30年までに550隻の艦艇を所有するとの試算とともに、米海軍は355隻に届くかどうか不透明だとも指摘している。