ソウルからヨボセヨ

混乱する新記者室

尹錫悦(ユン・ソンニョル)新大統領の就任から1週間。韓国の歴代政権が使用してきた「青瓦台」から国防省庁舎への大統領執務室の移転に伴い、記者室も新設された。初めて訪れた際、真っ先に目にしたのが、韓国人記者と広報担当者の口論だった。

青瓦台とは異なり、新記者室は大統領や秘書官の執務室と同じ建物に入った。保安上の問題から、庁舎に出入りする記者はインターネットなど各種機能の使用を制限するアプリをスマートフォンに入れる運用になったのだが、韓国人記者は「カメラや録音機能、SNSも使えない。記者に仕事をするなと言っているのと同じだ」と憤っていた。

入館手続きも煩雑で、警備担当者に不満を言うと「こっちも勘弁してほしいよ。プレスが早く上と話をつけて」と困り顔。結局、17日に尹氏自ら仲裁に乗り出し保安アプリ導入は見送りになったものの、多難な船出を予感させた。

一方、新政権発足と同時に一般開放された青瓦台を訪れると、庭園では伝統音楽の演奏が行われるなど、のどかな風景が広がっていた。「俗世」から隔絶され「帝王的権力の象徴」とも評された雰囲気は、雑然とした新庁舎とはあまりにも対照的。旧大統領官邸の庭に腰をおろし、青瓦台の移転公約を断念してきた文在寅(ムン・ジェイン)氏ら歴代大統領の胸中を推し量った。(時吉達也)

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