第75回カンヌ国際映画祭が17日(日本時間18日未明)、フランス南部カンヌで開幕した。
開幕式にはウクライナのゼレンスキー大統領が予告なしでオンライン参加。演説で喜劇王チャップリンの映画「独裁者」に言及し、ロシアのプーチン大統領を念頭に「独裁者は敗れると確信している」と訴えた。ナチス・ドイツのヒトラーを風刺した1940年公開の「独裁者」についてゼレンスキー氏は、チャップリン作品で初の完全トーキー映画だったことに触れながら「現実の独裁者を破滅させはしなかったが、来たる自由の勝利をうたう声だった」と指摘した。
ロシアのウクライナ侵攻を巡り「再び独裁者が現れ、自由のための戦争が起きている」と述べ、「新たなチャップリンが必要だ」と呼びかけた。会場の俳優や監督ら映画関係者は立ち上がって拍手を送った。
「キャメラを止めるな!」が開幕上映
開幕上映は大ヒットした日本映画「カメラを止めるな!」をリメークした、フランスのミシェル・アザナビシウス監督による「キャメラを止めるな!」が飾った。ゾンビ映画を撮影することになった監督らを描くコメディーで会場は爆笑に包まれた。
両作品に出演している竹原芳子さんもアザナビシウス監督らとレッドカーペットを歩き、上映会に参加。終了後、観客から約5分間拍手が送られると満面の笑みで応え、感極まったように目を拭う姿も見られた。(共同)