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ウクライナ停戦交渉「停止中」 戦闘長期化も 製鉄所の退避継続か

17日、ウクライナ・マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から退避後、バスに乗るウクライナ兵士(AP)
17日、ウクライナ・マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から退避後、バスに乗るウクライナ兵士(AP)

ロシアによるウクライナ侵攻で、停戦交渉を担当する両国の代表団関係者は17日、交渉が現在は停止されていると明らかにした。主張の隔たりが大きく、妥協点を見いだせないことが要因。戦闘のさらなる長期化は避けられない見通しだ。一方、ウクライナ側が戦闘停止を表明した東部マリウポリの製鉄所からは同日、籠城していたウクライナ将兵の新たな退避が行われたもようだ。

停戦交渉に関し、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は17日、「停戦交渉は中断中だ」と指摘。同氏は理由について、戦況の風向きが変わり露軍が停滞局面に陥ったにもかかわらず、露代表団が強硬な要求を変えないためだ-と説明した。

タス通信によると、ロシアのルデンコ外務次官も同日、「停戦交渉は行われていない」と指摘。「ウクライナは事実上、交渉から撤退した」とも主張した。

停戦交渉では、ロシア側がウクライナに親露派支配地域の「独立」の承認や南部クリミア半島への露主権の承認などを要求。ウクライナ側は領土問題で譲歩しない構えを示してきた。両国の専門家の間では「どちらかが敗勢になり相手の要求に応じざるを得ない状況にならない限り、停戦は成立しない」との見方が支配的だ。

一方、17日未明までに260人以上のウクライナ将兵が退避したマリウポリの製鉄所からは同日夕、新たな退避者を乗せた7台のバスが親露派支配地域に向けて出発した。ロイター通信が目撃者の証言として伝えた。人数は現時点で不明。

ウクライナはロシアとの捕虜交換交渉を通じて将兵を帰還させたい意向だが、ロシアが将兵を「戦争犯罪人」として訴追する可能性もあり、先行きは不透明。

ペスコフ露大統領報道官は17日、退避した将兵の処遇について「露国防省が決める」と明言を避けた。

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