トルコ大統領、不信感あらわ 北欧2カ国のNATO加盟問題で

トルコのエルドアン大統領=2021年6月、ブリュッセル(ロイター=共同)
トルコのエルドアン大統領=2021年6月、ブリュッセル(ロイター=共同)

【カイロ=佐藤貴生】フィンランドに続いてスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を正式表明した16日、トルコのエルドアン大統領は両国の加盟に反対する方針を改めて強調した。NATOに加わるにはトルコなど加盟30カ国による全会一致の承認が必要。ウクライナに侵攻したロシアの軍事的脅威の拡大を受け、NATO加盟にかじを切った北欧2カ国にトルコが立ちはだかる構図が固まりつつある。

フィンランドとスウェーデンのNATO加盟について、「肯定的な見解を持っていない」と述べていたエルドアン氏は16日、両国が加盟すればNATOは「テロ組織の代表者が集結する場」になってしまうと述べ、不信感をあらわにした。スウェーデンについてはテロ組織の温床であり、議会にもテロリストがいると主張した。

スウェーデンの外務当局者は16日、同国とフィンランドの代表が協議のためトルコを訪れる計画があると述べたが、エルドアン氏は徒労に終わるとの見通しを示し、説得に応じない姿勢を明確にした。

エルドアン政権は、トルコからの独立を目指す少数民族クルド人の非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)や、2016年にトルコで起きたクーデター未遂事件で「黒幕」だと断定した在米イスラム指導者の支持者らを「テロリスト」とみなしている。

フィンランドとスウェーデンは、これらの組織に連なる者をかくまっているというのがNATO加盟反対の理由だ。トルコ国営メディアによると、両国はトルコが要求する33人の身柄引き渡しを承認していない。

また、両国はトルコがPKKの「分派」とみなすクルド人民兵組織「人民防衛部隊」(YPG)掃討のため、19年にシリア北部に侵攻した後、トルコへの兵器輸出を禁止した。エルドアン氏はトルコに制裁を科している国のNATO加盟は認めないとしている。

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