北海道・知床沖の観光船沈没事故を受け、国土交通省北海道運輸局は17日、斜里町で観光船を運航する4社に安全管理体制などを確認するための緊急安全点検を行い、うち3社で12件の不備があったと発表した。
運輸局によると、確認された不備は①定点連絡の記録簿への記載漏れ②輸送の安全について情報公開が十分でない③陸上施設の点検簿を記載していない―など。今後3社に監査を行い、詳細を確認するという。残り1社は「おおむね良好」とした。
3社は今月末まで運航を自粛する方針だが、運輸局の担当者は「不備が改善されるまでは自粛を継続することが当然」との見解を示した。不備があった3社への点検は3~5年ぶりで「法令上決まっているわけではないが、点検の間隔が不十分だった」と認めた。
国交省は4月25日から全国の旅客船運航事業者を対象に現地調査。沈没した船の運航会社「知床遊覧船」には特別監査を行っており、今回の4社に含まれていない。