「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記

佐藤輝、青柳は〝栗山リスト〟入り濃厚、大谷翔平と世界を目指せ!

中止の台湾戦で招集される予定だった日本代表メンバーについて、説明する栗山監督
中止の台湾戦で招集される予定だった日本代表メンバーについて、説明する栗山監督

〝栗山リスト〟入り濃厚の佐藤輝明内野手(23)と青柳晃洋投手(28)は来春3月、世界一獲得の原動力になる! 阪神は15日のDeNA戦(横浜)、佐藤輝の豪快な2発(8号と9号本塁打)で連勝。前日(14日)はエース青柳が同じくDeNA戦で6回2失点の粘投で今季4勝目を飾り、防御率1・09はリーグトップです。チームは14勝26敗1分けと低迷する中、投打の主軸は存在感を発揮しています。彼らは来春3月に米国マイアミで決勝を行う第5回WBCの日本代表のメンバー入りが濃厚です。栗山英樹新監督(60)の戦力構想に入っているからですね。エンゼルス・大谷翔平投手(27)のメンバー入りも視野に入る中、虎の2選手は世界の大舞台で羽ばたいてほしいですね。

■投打の主軸は好調

いい部分だけを〝わざと〟切り取ると、阪神は直近11勝7敗です。4月22日のヤクルト戦(神宮)で勝って以降、18試合は貯金4です。確かに開幕から悪夢の9連敗を含む、ボロ負けの状態が続いていたので今季の成績は41試合消化時点で借金12ですが、4月後半から徐々にチーム状態は上向きになってきています。投打の主軸がきっちり結果を出してきたからですね。

15日のDeNA戦(横浜)では4番・佐藤輝が三回、左腕・東の内角高めの直球を右翼ポール際に特大の8号本塁打。六回にも左腕・田中健のツーシームを中堅右に放り込む9号本塁打。今季初の1試合2発で4番の調子がいよいよ上がってきました。

「ヒットは出ていたので、焦りはなかったです。でも(本塁打を)打ちたいというのがあったので、よかったです」と笑顔の佐藤輝。4月29日の巨人戦(東京ドーム)以来、自身最長のブランクとなる12試合ぶりの本塁打が出た途端に一気に2発。やはり佐藤輝の長打力、破壊力はチームに勢いをつけますね。

打線の軸が好調ならば投手陣の軸も安定していますね。14日のDeNA戦(横浜)では青柳が6回を投げて8安打されながらも2失点にまとめて今季4勝目。41回⅓で規定投球回に到達し、防御率1・09はリーグトップに躍り出ました。

「もっと長いイニングを投げて、しっかりずっと規定投球回に乗れるように頑張ります」と青柳は新たな決意を語りました。今季は3月25日の開幕・ヤクルト戦(京セラ)の先発が決まっていながら、新型コロナウイルス陽性判定を受けて出遅れ。それでも今季初登板の4月15日の巨人戦(甲子園)で相手エース菅野との投げ合いに勝つと、そこから3試合連続完投。

大野雄と投げ合った前回6日の中日戦(バンテリンドーム)では延長十回裏にサヨナラ打を浴びて1失点〝完投負け〟を喫しましたが、青柳が九回まで無失点に抑えたからこそ、大野雄の完全試合を〝阻止〟できたのです。

青柳が4月22日のヤクルト戦(神宮)で完封勝利を飾って以降、阪神投手陣は球団最長の18戦連続3失点以下という好成績です。青柳の安定感が投手陣全体に好影響を及ぼしているからでしょう。青柳、ウィルカーソン、ガンケル、西勇輝に西純矢。ここに2軍調整中だった伊藤将司も昇格してきますから、ますます先発陣は充実してきそうですね。

■侍ジャパンが熱い視線

そんな佐藤輝と青柳に熱いまなざしを送っているのが侍ジャパンの新監督に就任した栗山英樹監督ですね。2021年に開催予定だった第5回WBCは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期され、来春3月に開催されますが、その日本代表メンバーに佐藤輝と青柳が選出されることが濃厚なのです。

今年の3月に予定されていた侍ジャパンの台湾との練習試合(東京ドーム)はコロナ禍で中止となりましたが、その後、栗山監督はわざわざ〝幻のメンバー〟28選手を発表しました。「あなたたちは日本代表に選ばれていたのだから、それを励みにして頑張ってほしい」というメッセージなのでしょうか。注目の〝栗山リスト〟の中に、阪神からは近本光司外野手(27)と佐藤輝が入っていました。

栗山監督の佐藤輝に対する評価は高く、今季も調子を落とすことなく、30本塁打近くを記録すれば、来春3月の大会に日本代表として選考されるでしょう。

さらに、台湾との練習試合のメンバーには入っていなかった青柳ですが、球界関係者によると「次のWBCでは確実に選ばれるだろう」といいます。なぜなら日本代表の投手陣の中には左腕投手はいるものの、変則の下手や横手投げの投手が他に見当たらないからですね。現時点で想定される侍ジャパンの先発投手は大谷翔平(米大リーグ・エンゼルス)、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)、大野雄大(中日)らですが、彼らから抑え投手(広島・栗林が想定)までをつなぐ、第2先発的なリリーバーとして、青柳に白羽の矢が立つだろう…と見ているのです。

侍ジャパンが3大会ぶりの世界一を目指す第5回のWBCは今年の秋に予選がスタートします。前回大会でベスト4以上の日本代表は予選を免除されており、東京・台湾・米国・中南米でそれぞれ行う1回戦から登場します。東京で2回戦まで戦い、勝ち上がれば準決勝と決勝は米国マイアミが舞台です。

■大谷翔平に出場要請

栗山監督は今夏にも米国大リーグを視察します。準決勝、決勝の舞台となるマイアミ・マーリンズパークのローンデポ・パークを視察するでしょう。そして、メインの目的は投打の二刀流で今や大リーグのスーパースターとなった大谷翔平投手に侍ジャパン入りを要請することでしょう。栗山監督は日本ハム監督時代、大谷をドラフトで指名し、投打の二刀流に理解を示して育て上げました。まさに師弟ともいえる関係です。MLB(大リーグ機構)としてもオリンピックには選手の派遣を拒否していますが、WBCでの選手派遣には応じる方向を維持しており、栗山監督の要請に大谷が首を縦に振れば、その瞬間、侍ジャパンは超豪華な顔ぶれとなるでしょう。

佐藤輝と青柳は晴れて豪華メンバーの侍の一員となるチャンスが目の前に広がっているのです。

「青柳と梅野は昨年夏の東京オリンピックでメンバーに入り、金メダル獲得に貢献した。2人は世界の大舞台でプレーした経験を糧に、選手としても一回り大きくなったはずだ。もしWBCに佐藤輝や青柳が選出されるのであれば、彼らの今後の野球人生にとっても大きな財産になることは間違いない」と球界関係者は話しています。本当にその通りでしょうね。

しかし、阪神にはまだ100試合以上の残り試合があります。まず、今季のペナントレースでもっともっと数字を残して、チームを上昇させてほしいものですね。今季の結果が〝栗山リスト〟入りをさらに確実にするはずです。投打の軸が活躍すれば、来週から始まるセ・パ交流戦でも阪神は借金返済を加速できるかもしれません。頑張ってほしいですね。

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。

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