「沖縄に来て、力を貸してほしい」。何度も頭を下げる男の姿を、当時東京農大の研究員だった森川豊(92)は覚えている。男の名は具志堅宗精(そうせい)。後のオリオンビール(本社・沖縄県豊見城市)創業者だ。東京都内の小料理屋に森川ら5人の若手研究員を集め、沖縄初のビール造りへの協力を求めた。その熱意に「負けた」と、森川は語る。時に昭和31年、波乱の物語は、沖縄の本土復帰の16年前から始まった。
若者に自信を
「ビールで沖縄を復興する」。森川ら5人に沖縄移住を決断させた、具志堅の言葉である。
「沖縄に来て、力を貸してほしい」。何度も頭を下げる男の姿を、当時東京農大の研究員だった森川豊(92)は覚えている。男の名は具志堅宗精(そうせい)。後のオリオンビール(本社・沖縄県豊見城市)創業者だ。東京都内の小料理屋に森川ら5人の若手研究員を集め、沖縄初のビール造りへの協力を求めた。その熱意に「負けた」と、森川は語る。時に昭和31年、波乱の物語は、沖縄の本土復帰の16年前から始まった。
「ビールで沖縄を復興する」。森川ら5人に沖縄移住を決断させた、具志堅の言葉である。