マリウポリ陥落か ウクライナ「戦闘任務完了」 残存部隊に投降許可

16日、ウクライナ東部マリウポリ周辺の親ロシア派地域で、ロシア軍が包囲するアゾフスタリ製鉄所から運ばれてきたウクライナ部隊の負傷兵(ロイター)
16日、ウクライナ東部マリウポリ周辺の親ロシア派地域で、ロシア軍が包囲するアゾフスタリ製鉄所から運ばれてきたウクライナ部隊の負傷兵(ロイター)

ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍参謀本部は17日、東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に籠城するウクライナ部隊について「戦闘任務を完了した」とし、部隊指揮官に事実上の投降を許可した。同製鉄所は2カ月半にわたり攻防戦が続いてきたマリウポリでのウクライナ側の最終拠点。数百~1千人規模とされる籠城部隊が製鉄所を明け渡せば、マリウポリは陥落する形となる。

露国防省やウクライナ政府によると、製鉄所からは16日、双方の合意に基づき重傷を負った兵士53人が退避し、親露派支配地域の病院に搬送された。このほか兵士211人も製鉄所を離れ、親露派支配地域に移送された。ウクライナ側は今後、兵士の帰還に向けてロシア側と捕虜交換の手続きを進めるとした。

ウクライナ軍参謀本部は「人員の命を守る」ように部隊指揮官に命じたと表明した。同国のゼレンスキー大統領は16日のビデオ声明で、この決定について「簡単ではない日だった」と語った。「ウクライナの英雄は生きている必要がある」と述べ、兵士らを生存させるための判断だと強調。マリウポリからの撤退に国民の理解を求めた。

マリウポリは侵攻開始から間もなく包囲され、露軍の砲撃で廃虚化。市当局は市民2万人以上が犠牲になったと推計している。露国防省は4月21日、市街地の制圧を発表し、その後も露軍はウクライナ部隊「アゾフ大隊」などが籠城した製鉄所に攻撃を続けてきた。

一方、米国防総省高官は16日、ウクライナ第2の都市、東部ハリコフ周辺でウクライナ軍が国境から3~4キロの地点まで露軍を後退させたと明らかにした。東部ルガンスク州のガイダイ知事は17日、セベロドネツク近郊の2集落から露軍を撤退させたとし、ウクライナ軍参謀本部は侵攻開始以降の露軍の損害が約2万8千人になったと主張した。

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