〈独自〉脱・中国 日米主導で「鉱物資源安保パートナーシップ」創設へ

日米両政府は、レアアース(希土類)などの重要鉱物の安定供給に向けた新たな国際的枠組み「鉱物資源安全保障パートナーシップ」を6月にも創設する方向で調整に入った。中国に重要資源の調達を依存するサプライチェーン(供給網)を見直し、経済安全保障面のリスクを下げる狙い。今月23日の日米首脳会談でも議論される見通し。政府関係者が17日、明らかにした。

重要鉱物は、スマートフォンや家電、次世代自動車の製造など先端技術に欠かせない「戦略物資」と位置づけられる。ただ、鉱山は世界に偏在している上、産出量が少なかったり、生産できるようになるまでに巨額の資金と10年超の期間を要したりするため、供給が不安定になれば産業や暮らしを直撃しかねない。採掘過程で有害物質が排出され、採掘と製錬に伴う環境汚染や労働者の健康被害も深刻化している。

このため、日米主導の国際的なネットワークを構築し、鉱物資源の新たな供給源の確保に向けて鉱山開発への投資や環境対策、リサイクル技術の研究開発などを包括的に推進する。同志国にも参加を呼びかけており、オーストラリアやカナダ、アジア諸国など計10カ国以上の参加が見込まれている。

日米両政府の念頭にあるのは鉱業大国の中国だ。中国は採掘から精錬まで総合的に手掛ける強みがあり、特に用途が幅広いレアアースは生産の6割、精錬の9割のシェアを握る。昨年末、国有のレアアース企業「中国稀土集団」を設立し、習近平国家主席は世界トップの競争力を目指すとしている。

米中対立が激化した2年前に中国では戦略物資の輸出規制を強化する「輸出管理法」が整備され、今後の国際情勢次第では供給が滞ることが懸念される。平成22年に尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で起きた中国漁船衝突事件後、中国が事実上の対日輸出規制を実施した経緯もあり、政府は中国依存脱却に向けた対応策を模索してきた。

バイデン米大統領は中国との長期的な競争を念頭に、重要鉱物などの競争力強化を進めている。バイデン氏の来日を機に「中国による市場寡占を是正し、開かれた市場」(外交筋)の実現を目指す。

会員限定記事会員サービス詳細