早大3年の古瀬さん、ラグビー・リーグワンレフェリーで活躍

大学生ながらリーグワン1部で主審を務める古瀬さん(中央)。目標はW杯主審だ(©JRLO)
大学生ながらリーグワン1部で主審を務める古瀬さん(中央)。目標はW杯主審だ(©JRLO)

ラグビーのリーグワンで、早大3年の古瀬健樹(ふるせかつき)さんがレフェリーとして奮闘している。レギュラーシーズンは国内最高峰となる1部の5試合で笛を吹き、1部と2部の入れ替え戦も担当予定だ。「出来は悪くはない。ある程度の満足はしている」と手応えを語る20歳は、ワールドカップ(W杯)の大舞台での主審を目指し、研鑽と経験を積んでいる。

古瀬さんに転機が訪れたのは中学3年の秋。ラグビー部を引退後に練習の手伝いに行った際、顧問の先生からレフェリーをやるよう求められたのがきっかけだった。「選手だと基本的にボールに対して目がいくが、レフェリーは幅広い視野を持たないといけない。違った見え方がして、そこが面白かった」。選手ではなく、レフェリーとしての道を歩み始めた。

福岡・東福岡高時代は日本協会のレフェリー育成プログラムの対象になり、早大商学部進学後はレフェリーとしてラグビー部に入部。昨年10月には日本協会主催試合のすべてを担当できるA級公認レフェリーに史上最年少の19歳で選ばれた。

そして迎えた今季のリーグワン。2部の試合を経験後に〝1部デビュー〟を果たし、5月8日まで行われたレギュラーシーズンでは3月5日の大阪-埼玉など5試合で笛を吹いた。「走る距離やパスのスピードだったりが違う。スピードを上げて落としてという変化もある」と、1部の試合をさばく難しさ実感したという。

もっとも、周囲の評価は高い。「選手との距離感が素晴らしい。試合に入り込み過ぎず、試合から離れ過ぎず、レフェリーとしてやらなければならないことを丁寧にきっちりできている」と日本協会ハイパフォーマンス部門の原田隆司レフェリーマネジャー。「開幕から吹いているレフェリーに全く引けを取らない」と語る。

平日は早大の練習に立ち会い、実戦型の練習では笛を吹く。グラウンドを離れても、リーグワンはもちろん、海外の試合の映像もみて研究する。

最大の目標はラグビー界最高の舞台となるW杯で主審を務めること。「早ければ2031年大会です」と目標を定める古瀬さんは「自分は中学の3年間しかプレーしていない。プレーヤーが意図していることを知るにはもっともっと努力しないといけない」と、日々の全力投球を心がけている。(橋本謙太郎)

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