奈良市の東大寺大仏殿(国宝)南側で液体のようなものをかけられた跡が見つかった事件で、東大寺は16日、除去作業を行い、報道陣に公開した。
液体跡は、建物が地面に接する「地覆(じふく)」と呼ばれる部分の横木の2カ所で見つかり、範囲はいずれも縦約60センチ、横約70~80センチ。
一般社団法人「国宝修理装潢師(そうこうし)連盟」の登録技術者が、水を含ませた筆で液体跡の汚れを浮き上がらせ、吸水紙で吸い取っていった。
液体跡は4月14日に寺の職員が発見。甘い匂いがしていたという。奈良県警奈良署が成分を鑑定した結果、ガソリンなどの鉱物油の付着はなかった。同署が防犯カメラの解析などを進め、文化財保護法違反の疑いで調べている。