トルコ、北欧2国に安全確保で協力求める

トルコのエルドアン大統領=2021年6月、ブリュッセル(ロイター)
トルコのエルドアン大統領=2021年6月、ブリュッセル(ロイター)

フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟に異議を唱えたトルコは、同国からの独立を目指す少数民族クルド人の非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)への支援停止を両国に求めている。トルコには、安全保障上の脅威にNATO諸国が理解を示していないとの不満があり、この機に乗じて自らの要求を両国に突き付けた格好だ。

エネルギーや防空システムをロシアに依存するトルコは、米欧が進める対露制裁にも同調していない。ロシアとウクライナの停戦を調停する立場でもあり、対露関係を悪化させたくないとの思惑がうかがえる。

PKKは1980年代に反政府武装闘争を開始し、トルコでは少なくとも4万人が死亡したともいわれる。トルコや米欧はテロ組織に指定している。トルコはシリア内戦を通じて同国北部で台頭したクルド人民兵組織YPGについても、PKKの「分派」であり治安上の脅威になっていると主張してきた。

しかし、米国はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討の際にYPGと協力し、トルコとの関係が険悪化。米国は対露接近を図るトルコをステルス戦闘機F35開発計画から排除し、制裁を科した。

トルコはスウェーデンについて、YPGに供与した対戦車砲などの兵器がトルコ治安部隊に対して使用されていると非難。また、フィンランドではPKK支援のデモがしばしば行われていると批判している。(カイロ 佐藤貴生)

会員限定記事会員サービス詳細