ノーブラ派の落とし穴?! 専門家が恐れる「たんたんたん現象」 ノンワイヤーの「涼ブラ」でキレイとラクを両立

新型コロナウイルス感染拡大に伴っておうち時間が長くなったことで、ブラジャーを着けずに過ごす時間が増えたという女性も多いのではないか。大手下着メーカー「フジボウアパレル」(東京都中央区)が先月SNSで下着について行ったアンケートでは、20~60代女性300人のうち45%が、在宅時ブラジャーを着けない派であることが判明した。キャミソールやタンクトップにブラジャーのようなパットが付いたブラトップも、一枚で着られる手軽さから人気を集めている。ブラジャー特有の締め付け感や肌ストレスを苦手とする人も多く、猛暑が予想される今年はさらにノーブラ派が増えることも予想される。こうしたなか、下着スタイリストの専門家は「胸の下垂を早める『たんたんたん現象』が広がっている。体に合ったブラジャーを着けなければ、若い女性でも胸の形が崩れてしまう」と危機感を募らせている。

ブラはラクチンがいい!

「出産後の授乳に便利だったので、カップ付きのタンクトップを使って以来、10年以上ブラジャーは使ってません。締め付けがなく、快適です」

「ブラトップや縫い目のないものが定番化しています」

「1日中家にいる時は、締め付けない楽ちん下着を着ます」

「もうワイヤー(ブラ)はしんどくて無理」

フジボウアパレルが運営するファンコミュニティサイト「涼ブラコミュニティ」(会員数約1万2500人、令和4年5月10日現在)では、ワイヤー入りのブラの締め付け感や不快感に悩む女性の意見が目立つ。コロナ禍でおうち時間が増えたことをきっかけに締め付け感に耐えられなくなったという人や、快適さからブラトップを10年以上愛用しているという人も。普段からノンワイヤーブラを使いつつ、生理前など肌が敏感になりやすい時期にはさらにゆるやかで楽な下着を選ぶという人もいた。

同社がインスタグラムで先月28~今月5日、20~60代女性300人に行ったアンケートによると、在宅時にワイヤー入りやノンワイヤーのブラジャーを着けない人は45%だった。このうち53%は「ノーブラ派」。ブラジャーではなくブラトップを用いる人が31%で、16%は「在宅勤務時のみ」ワイヤー入りやノンワイヤーブラを着けると回答した。年齢別にみるととくに、50~60代女性で在宅時ノーブラ派が多く、回答者全体の35%だった。

半数近くの女性がリラックスできるおうち時間にノーブラやブラトップを選択している背景には、ブラジャーよりも「快適・ストレスフリー」な下着を求めている様子がうかがえる。近年は女性(Female)の抱える健康課題に配慮(Care)し、科学技術(Technology)で解決しようとする「フェムテック」や「フェムケア」商品がさまざまな分野で登場して話題になっており、体調や体質に寄り添う「ストレスフリー、快適性」は下着選びにおいても重要なポイントになりつつあると言えそうだ。

「涼ブラコミュニティ」では、快適で楽な下着を求める声が相次ぐ
「涼ブラコミュニティ」では、快適で楽な下着を求める声が相次ぐ

ラクに自分らしく…でも10年後は?

こうしたトレンドに、下着専門アドバイザーとして20年以上活躍する浅井明子さんは「快適性を求めるのはいいけれど、ブラジャーの『支える』という一番大事な機能を忘れ、ただ乳首を隠せればいいと考えてしまいがち。ブラトップやノーブラばかりで過ごせば10年後、胸は下がり、女性の身体はメリハリを失ってしまう」と危機感を募らせる。

国内外の下着メーカーの企画などにも携わり、モデルをはじめ多くの女性の下着カウンセリングも担当してきた。こうした経験から、街ですれ違う女性を見ていて「1歩歩く間に、上下に胸がたんたんたんと3回揺れている人が多くなった」と指摘。浅井さんはこれを「たんたんたん現象」と名付け、「胸の大小に関係なく、揺れに応じて下垂は進む。身体に合ったブラジャーを着けて「たんたんたん現象」を止めないと、乳首も一緒に垂れてしまう」と警鐘を鳴らす。

「快適・ストレスフリー」な下着を求める女性がノーブラやブラトップを選択しがちな状況に対しては「苦しいほど締め付けなくても、揺れをおさえられれば大丈夫」と浅井さん。「苦しくない、身体に合ったブラジャーの選び方、着け方を体得してほしい」と訴える。

浅井さんによると、日本でのノーブラやブラトップ人気は平成20年ごろから、厳しい猛暑や、ファッション業界のムーブメント「ボディーポジティブ」の影響などを受けて高まってきたという。ボディーポジティブとは、欧米を中心にSNSを通じて世界中へ広がった考え方で、やせたスタイルのみを賛美することを改め、自分の身体(ボディー)を前向きに(ポジティブ)愛そうというものだ。下着業界でもこうしたトレンドを受けて広告に、プラスサイズモデルなどを起用している。

一方で、「女性らしさ、セクシャリティの表現が企業にとっても難しく、窮屈になった」と浅井さんは感じている。コロナ禍の自粛ムードや、ハレの場が減ったことも手伝って、「下着の広告は通気性や着心地などの機能面ばかり訴えていて、夢がない。美しく見せる、男性をひきつけるということを表現してはいけない、人に聞いてもいけない雰囲気があり、〝迷子〟になっている若い女性も多いのでは」と懸念する。「自分の体をありのまま受け入れるのは、単なる甘やかし。自分自身がどうありたいか、自分だけのフェム(女性らしさ)を大切にしてほしい。それこそが真のフェムケアでは」と訴える。

下着専門アドバイザーの浅井明子さん
下着専門アドバイザーの浅井明子さん

美しい胸を保つのに重要なのは「骨格に合ったブラ選び」と浅井さん。「バストトップ(乳首)の正しい位置は、鎖骨の中心と左右のバストトップをつないだラインが正三角形となる位置。骨格に合うブラで支えれば、苦しくない。ワイヤー入りブラジャーは最も支える機能が優れている」と言う。体に合った下着を身に着けると、姿勢が改善し、胸が開くため、体内の循環もよくなるという。

快適さを保つには、ブラジャーの手入れも重要だ。手洗いが基本だが、使用に伴う補正力の低下は避けられない。「洗濯は2日に1度、床置きしてカップ下の部分とアンダーベルト部がうねったら寿命。半年に1度は替えてほしい」とする。「正しい下着を身に着けることは、体の声に気づくきっかけにもなる。楽はラクでも、自分が楽しくなれる下着を選んでほしい」と話す。

ノーブラから涼ブラへ

気象庁などが2年ぶりの全国的な猛暑を予測している今年、汗ばむ季節を前にワイヤー入りブラジャーに切り替えるのをためらうノーブラやブラトップ派も多いだろう。女性の胸の型崩れに危機感を募らせる浅井さんが、快適性と美しさを両立させるノンワイヤーブラとして勧めるのが、フジボウアパレルのロングセラー商品「涼ブラ」だ。夏ブラの定番として平成21年に発売し、累計240万枚を売り上げている人気商品だ。「着け心地が軽いのと生地に伸縮性があり、しっかりと胸を支えてくれる。速乾性もあり、使い勝手もいい」と絶賛する。

涼ブラを絶賛する浅井明子さん
涼ブラを絶賛する浅井明子さん

数あるノンワイヤーブラのなかで特に優れた点として、カップ部分の構造を挙げる。「おわん型のパットではなく3つのパーツを継ぎ合わせた形状のおかげで胸の位置がずれにくい。トップ同士の距離が10cm程度と理想的でカップの形も良い。生地もほどよく薄くて着け心地が軽い」。高機能ポリエステルクッション材を採用したカップは、コットンやポリウレタン製のクッションよりも弾力性と通気性に優れ、薄手なのに型崩れもしにくい。カップの間には、乳間を広げないよう伸び止めもついている。脇肉への流れを防ぐ樹脂製サイドボーン入りで、さらにサポート力を高めている。

「涼ブラのカップはトップの位置が理想的」と示す、浅井さん
「涼ブラのカップはトップの位置が理想的」と示す、浅井さん

メイン素材であるメッシュ生地は、ガードル生地製造などに使う機械を使って編んだ特別な素材だ。縦横両方向に伸縮性があり、ほどよく体の動きにフィットする。アンダー部分は裾テープレスで肌当たりも優しく、33gと軽い(※)。「着けているのを忘れるほど楽なのに、胸の動きをしっかりと止めてくれる」と太鼓判を押す。お手入れも簡単で、ネットに入れて洗濯機で洗えば地域や季節、天候にもよるが、部屋干しで4~6時間で乾く。

コンパクトに畳んでも型崩れしにくく、旅行の着替えはもちろん、災害備蓄にも最適だという。

※ハーフトップMサイズの場合
特殊なカップの構造によりトップの位置を美しく支えてくれる
特殊なカップの構造によりトップの位置を美しく支えてくれる

フェミニンな花柄、トレンドのミントカラーも

涼ブラハーフトップは、着用感の軽さを追及したスタンダードタイプと、淡い花柄がデザインされたプリントシリーズ、肩紐にアジャスターを付けたホックタイプがある。今夏は、スタンダードタイプにトレンドカラーのグレイッシュミントなど3色が加わって全8色展開、プリントシリーズはアネモネをモチーフにしたデザインで4色展開されている。ホックタイプは、胸の張りなど体調に合わせてアジャスターで肩紐の長さを調節でき、フェムケア商品としても注目されている。このほか、カップ付きキャミソールタイプ、モールドカップタイプもあり、シーンや体調に合わせて使い分けることができる。

サイズ展開も豊富で、アンダーバストは65~100cmまで、カップサイズはA~E相当まで対応している(下表参照)。スタンダードタイプは、S~LL、MG、LGサイズは1枚2640円(税込み)、バスト100cmを超える3L、4Lサイズでも、3080円(税込み)と、手ごろな価格帯だ。発売以来販売枚数は年々増え、昨年は前年比28%増の38万5千枚売り上げた。今年も前年同様の好調な売れ行きを維持している(令和4年3月集計時)。

サイズ表
サイズ表

同社の「涼ブラコミュニティ」では日々、快適さと美しさの両立に悩む女性の声が多く寄せられている。「機能を重視するとおしゃれ感が足りない」といった声も見られる。こうした声にこたえようと、同社では今後、快適性や速乾性を維持しつつ、デザイン面でバリエーションを増やしていく予定だという。企画・調達部の近野英樹次長は「涼ブラはこれまで、マニッシュなイメージを大切にしてきたが、レース風のものなど、おしゃれを楽しめるフェミニンなイメージのものも企画していきたい」と話している。

⇒涼ブラコミュニティはこちら
⇒「涼ブラ」の販売サイトはこちら

提供:株式会社フジボウアパレル

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