ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ国防省は16日未明、同国軍が東部ハリコフ州から露軍を撤退させ、ロシアとの国境地帯まで到達したと発表した。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は15日、NATOの非公式外相会合での演説で「ウクライナは勝利できる」と述べ、加盟国に支援強化を呼び掛けた。
一方、これまで朝と夜に戦況発表を行ってきた露国防省は15日、夜の発表をサイトに掲載しなかった。タス通信なども発表を報じておらず、この日は侵攻開始後で初めて夜の発表が行われなかった可能性がある。
ハリコフ州では最近、ウクライナ軍の反攻作戦が進展していた。ゼレンスキー大統領は15日のビデオ声明で「作戦の破綻にもかかわらず、露軍はなお東部ドンバス地域で前進しようと新たな試みを準備している」などと警戒を呼び掛けた。
東部マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊の救出について、同国治安当局は15日、「露軍の防御線が厚く、軍事的手段では困難だ」と説明。マリャル国防次官も「部隊退避を認めるよう露側と交渉しているが、プーチン大統領が同意しない」と述べた。ウクライナメディアが伝えた。