主張

免許更新制の廃止 教員の資質向上策明確に

教員免許更新制を廃止するための改正教育職員免許法などが国会で可決、成立した。

教員免許に10年の期限を設け、更新講習を義務付ける制度だった。それをなくすのは、教員の貴重な学びの機会を奪いかねない愚策である。そう言われたくないのなら、教員の指導力向上を図る施策を明確にしてもらいたい。

教員免許更新制は第1次安倍晋三政権時に法改正され、平成21年度から導入された。

一度教員免許を取得すれば、指導力不足の問題教員も教壇に立っていられる。その不信を拭い、教員の資質を維持、向上させるねらいだった。その制度のどこが悪かったのか。

更新講習は、教員の多忙化の一因とされ、制度廃止で負担軽減を図るというが、本末転倒である。10年ごとの更新講習は、教員経験の節目に、子供たちを指導するうえで最新の知識、体験を積む得難い機会である。教員の多忙感にもつながる孤立を解消し、学校内外の関係者とのチームプレーなどを学ぶ機会ともなる。

それを厭(いと)うなら職業を間違えたのだろう。大学などが開く更新講習の中には、理念に偏り教壇で本当に役に立つ研修か首をひねるものもあったという。おもしろくない内容なら負担感が増すのはあたりまえだ。それを放置して、制度廃止ありきの法改正に走ったのは安易で残念だ。

免許更新制に代わり、指導力向上を図る新たな研修制度を来年4月から開始するという。新研修制度は文部科学省が今夏をめどに指針を示し、それに沿って都道府県教育委員会が詳細を決める。

順序が逆である。なぜ先に新研修制度の詳細を明らかにしなかったのか。新たな制度に対し、また負担が増すと批判が出て、腰砕けになっては困る。指導力不足の教員を放置しない、厳しい制度にしなければならない。

今回の法改正では、都道府県教委などに教員が受講した研修を個別に記録することを義務化し、校長が受講すべき研修を助言する制度が盛り込まれた。校長の指導力が問われよう。言うことを聞かない教員は当然退場を求めたい。

教育再生を図るため、何より教員の力が欠かせない。学校内外で学ぶ機会を増やすなど、予算面も含め、意欲ある教員のための施策を厚く、工夫してほしい。

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