千葉県のホームページで「千葉県の海岸線で昔から作られている代表的な郷土料理」として紹介されているのが「あじのさんが」だ。アジを包丁でたたき、香味野菜やみそを加えて焼き上げたもので、見た目はハンバーグみたい。魚が苦手な子供たちにも、おいしく食べてもらえそうだ。
さんがは「さんが焼き」とも言われる。農林水産省によると、漁師が、取った魚を船の上でみそといっしょに細かくたたき、「なめろう」を作っていたことが起源に。漁師が山へ仕事に行くときには、余ったなめろうをアワビの殻に入れて持っていき、山小屋で焼いて食べたことから、「山家(さんが)焼き」と呼ぶようになったという。
材料のアジの3枚おろしは、近所のスーパーの鮮魚コーナーで相談した。県のレシピに合わせると、中くらいのアジ3尾で、価格は534円。皮を取ってもらったことで、手軽に作ることができた。
アジはスライスしてからまな板の上に置いて細かく刻んだ。後片付けを簡単にするため、まな板の上に開いた牛乳パックを載せ、その上で包丁を使った。レシピにはなかったが、友人の板前から、しょうゆを少し入れると良いと聞いたので、アレンジしてみた。
アワビの殻は手に入りにくかったので、ハンバーグのように両面を整え、大葉を貼り付けて焼いた。オリーブ油で両面を中火で2分くらいずつ焼いた後、フライパンに蓋をして火を止めて2、3分おくと、大葉もそれほど黒くならずに焼くことができた。
盛り付けにベビーリーフを敷くと、ほどよい塩気がつき、野菜と一緒においしくいただいた。材料費も手頃で、また作ってみたいと思った。(藤川佳代)
【材料】(4人分)
アジ 正味320グラム
みそ 大さじ2
砂糖 小さじ1/2
しょうが 1かけ
大葉 8枚
油 小さじ1
【作り方】
①アジは3枚におろし、皮と骨を取り、しょうがはみじん切りにする。
②アジをまな板の上に置いて、包丁でたたくように切って細かくする。
③しょうがとみそ、砂糖を加えて、さらによくたたく。
③4等分にする。
④アワビの穀の内側に油をぬり、大葉を敷いて詰め、上に大葉を載せるか、または、飾りの切れ目を入れて焼く。