「ドラマの登場人物史上、一番食べるキャラクターになりたい」。連続ドラマ初主演の意気込みを聞かれ、堂々と宣言した。
このドラマ「しろめし修行僧」で演じるのは、食べることが大好きな修行僧、米田(こめだ)たくあん。父、こしあん(松平健)から「善行をした分、ご飯を食べられる。食べていいのは白飯の入ったお椀(わん)にのる一品のおかずのみ」と命令を受け、全国各地で「しろめしに合う究極のおかず」を追い求めて修行をする異色のグルメドラマだ。
たくあん役の打診が来たときは、「ぼくがやるしかない。絶対にやらせてもらいたい」と運命的なものを感じたという。千葉・南房総のなめろう、栃木の大田原牛、相模原市のTKG(卵かけご飯)など、たくあんはとにかく、おいしそうによく食べる。芸人の先輩から、「おごりがいがある」と褒められてきた食べっぷりは本物。白米とおかずに全集中できるよう、ロケ先でのグルメやロケ弁(撮影の合間に食べる弁当)も封印して撮影に臨んだ。
「孤独のグルメ」も放送された金曜深夜の「ドラマ24」は、視聴者の食欲を刺激する〝飯テロ〟枠。「皆さんに電子レンジに手を伸ばさせたら勝ち。冷蔵庫にサッと食べられるものを用意して見てください」と対策をアドバイスする。
各話で異なる土地の風景、おいしそうな白米とおかずの映像、たくあんの豪快な食べっぷりに加え、「寅さん」を思わせる、各地で出会うマドンナとのちょっと切ない恋模様も見どころの一つ。「ぼくは人情ものが大好きで、このドラマはまさに大好きな要素が詰まった作品。食べるシーンと同じくらいほろ苦い場面にも気合が入っているので、哀愁も伝えていきたい」と意気込む。
ちなみに、自身にとっての「忘れられないご飯のお供」は、故郷・秋田のワラビたたき。あく抜きをして軟らかく煮たワラビを包丁でたたき、みそとあえた「おふくろの味」は毎年、白米とともに実家から送られてくる。なくてはならない究極のおかずだ。
「今回行けなかった地域にも行けるよう、シリーズ化して続いてほしい。アジア編、ヨーロッパ編と、世界中にしろめしのおかずを探す修行に出たいし、銀幕でしろめしを頬張ってみたい」と、お椀一杯にはとても入りきらない修行の夢を語った。(道丸摩耶)
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おかべ・だい 平成元年生まれ、秋田県出身。タレント養成所で知り合った菊田竜大、秋山寛貴とお笑いトリオ「ハナコ」を結成し、コント日本一を決める30年の「キングオブコント」(TBS)で優勝。数多くのバラエティー番組に出演するほか、令和2年の連続テレビ小説「エール」(NHK)、「私の家政夫ナギサさん」(TBS)など俳優としても活躍。来年のNHK大河ドラマ「どうする家康」にも出演予定。
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「しろめし修行僧」はテレビ東京、金曜深夜0時12分。