聞きたい。

神保拓也さん 『悩みは欲しがれ』 自己変革や経営改革の糧に

予測不能の展開に、思わず引き込まれた。ベンチャー企業で働く女性からの仕事の悩み相談。課題が多く、何が本当の悩みなのか、自分で特定できない女性に寄り添い、思いもかけない結論に至る。

悩める人の目標や目的を探し心に火をともす行為を「トーチング」と呼び、個人や法人に面談サービスなどを提供している。その実践事例やノウハウをまとめたのが本書だ。

「250ページあるビジネス書なのに『思わず一気読みした』という、うれしい反響もありました」と話す。

悩みは本来、遠ざけたいものだ。自分では持ちたくないし、人から相談されても答えに困る。だが本書によれば、「情報の宝庫」「『本当の自分』を探すためのパスポート」であり、向き合うことで成長機会が得られ、「欲しがる」べきものだという。

神保拓也さん
神保拓也さん

自身の半生は「自他の悩み集めをしてきた」。社会人1年目に仕事で悩み、挫折。その経験に基づいて後輩の相談に乗ることで学び、仕事で成果を挙げ、挫折も乗り越えた。転職先で取り組んだ構造改革も、悩んでいる部下からの相談を手がかりに実現できた。

悩みは自己変革や経営改革に生かせるが、「自分の悩みに独りで向き合うことはできない」といい、本書の目的は「人の悩みに一緒に向き合う人を増やす」ことだとも語る。

「相手に寄り添い、その悩みを自分事と捉え、向き合う。一緒に立って踊って歌って泣いて、解決策以上の答えにたどり着く」。その過程で相手に「独りじゃない」と感じてもらうことが最大の価値という。

「大事なのは同じ釜の飯を食うならぬ、同じ悩みを味わうというスタンス。大したアドバイスができなくても、相手の孤独に寄り添ってあげることさえできればいい」(KADOKAWA・1595円)

三保谷浩輝

【プロフィル】神保拓也

じんぼ・たくや 悩みの面談サービスなどを行う人材育成会社「トーチリレー」代表。昭和56年、神奈川県生まれ。中央大卒。三菱UFJ銀行などを経て、衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング入社。35歳で執行役員に。令和2年に起業して現職。

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