北海道初の有料海釣り拠点 苫小牧市でオープン

岸壁にいる警備スタッフと無線で連絡をとる苫小牧釣り文化振興協会の明村亨代表理事=北海道苫小牧市、苫小牧東港(坂本隆浩撮影)
岸壁にいる警備スタッフと無線で連絡をとる苫小牧釣り文化振興協会の明村亨代表理事=北海道苫小牧市、苫小牧東港(坂本隆浩撮影)

管理責任者である同振興協会の明村亨(あけむら・きょう)代表理事によると、最初の週末の23、24日は天候がすぐれず1日あたり9~15人の利用にとどまったが、大型連休に入った29日~5月1日の3日間はそれぞれ10~30人に増え、釣果もまずまずだったという。「管理事務所を構え、海中転落などのアクシデントに備えた救命艇や営業日に管理人を常駐させるなど、安全・安心に利用できることが喜ばれている」と手応えを感じている。

コロナ禍でトラブル多発

実はこれまで、条例により苫小牧港では岸壁や防波堤は原則立ち入り禁止となっていたが、実際には港湾業務に影響のない範囲で黙認されてきた。しかし、新型コロナウイルス禍を背景に釣り人が急増。港湾荷役業者と釣り人によるトラブルが多発し「立ち入り禁止を強化する事態になっていた」(同組合)という。

地元では事実上の有料化として反対する釣り愛好家がいる一方で、「釣り場所が減ってきているので、こうした場所があってもいいと思う」(20代男性会社員)と前向きな声もある。同組合の担当者は「今回の取り組みを通じてマナーの向上など釣り文化や地元観光の振興につながれば」と期待している。

勇払マリーナに釣り堀も

苫小牧港ではさらに、東港区の勇払マリーナでも「海上釣り堀」の準備が進んでいる。ヨットなどを係留するマリーナ施設としては全国でも珍しい取り組みで、管理業務を受託する民間事業者が発案した。

地元の遊漁船が釣った魚を13メートル四方のいけすに入れ、90分500円の利用料金で釣りが楽しめる仕組み。釣った魚は販売するシステムで、同マリーナの杉本一支配人は「着々と準備を進めている」と話す。

苫小牧市は工業を中心とした産業が盛んだが、誘客拠点は少なく、観光振興は課題の一つ。釣りを題材にした新たな観光拠点となるか、関係者は注目している。(坂本隆浩)

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