30年目のJリーグ㊦

6代目チェアマン野々村芳和氏 目指す理想は「昔の清水」

インタビューに応じる、野々村芳和Jリーグチェアマン=5日午前、横浜市神奈川区(鴨志田拓海撮影)
インタビューに応じる、野々村芳和Jリーグチェアマン=5日午前、横浜市神奈川区(鴨志田拓海撮影)

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30年目のシーズンを迎えているサッカーのJリーグに今年3月、初めて元Jリーガーのチェアマンが誕生した。6代目に就任した野々村芳和氏(50)が1993年に開幕戦が行われた5月15日に合わせて産経新聞の取材に応じ、胸に抱く未来図を語った。

--Jリーグ開幕から30年目を迎えた

「もう30年たったのかという気持ち。開幕時は大学生だった。開幕の景色を見て『プレーしたい』と思った記憶は今も覚えている」

--Jリーガーとして7年プレーし、引退後はJ1札幌の社長を9年務めた

「リーグの歩みは順調だったと思う。何もないところから始まり、現在58クラブまで増えた。開幕当初のブームと比べメディア露出は減ったが、クラブに関わることで『幸せ』と感じる人は増えている。本当の意味でサポーターや地域とつながりができてきている」

--節目の年に6代目チェアマンに就任した

「自分はエースで10番ではない。現役時代に『自分が1回もボールに触らなくても勝たせることができる選手になりたい』と話していたらしい。今も同じ。いろんな武器を持った人がいる。それぞれの最大値を引き出していければ」

--目指すリーグ像は

「世界の中で存在感のあるリーグを目指したい。プレーレベル、スタジアム環境、サポーターがチームを勝たせようとする熱量…が一つとなってサッカーという作品になる。素晴らしい選手がいても、地域に愛されていなければ魅力的ではない。スタジアムに来たいと思わせる雰囲気を、どう作っていけるか」

--新型コロナウイルス禍のシーズンも3年目。声出し応援の制限緩和は

「自分たちだけで決められることではないが、コロナ前の世界に戻っていけるようにしていきたい」

--欧州主要リーグは秋開幕。現行の春開幕からシーズンを移行する可能性は

「地域社会をよりよくできるなら検討すべき。秋開幕への移行で、降雪地域でも冬にサッカーができる環境が整うなら、町をいい方向に変えることになる。地域のためになるのかを議論することが、日本サッカーにとっていい時間になる」

--2019年の観戦者平均年齢は42・8歳。サポーターの高齢化が進む

「若年層に魅力を届けることは必要。これまでは全58クラブ、地域の特色に合わせた宣伝はできていなかった。クラブを象徴する選手を広告塔にしたり、何が効果的かを整理してアプローチしたい」

--サッカー王国の静岡県清水市(現静岡市)で生まれ育った

「近所のお兄さんに憧れ、楽しく競争しながら育った。地上波では各年代のサッカー特集が流れ、それを見て練習に行く世界だった。昔の清水が理想像。あの空気感を全国47都道府県、58クラブに作りたい」

--イングランドのトップリーグは130年以上の歴史がある。Jリーグはまだ始まったばかり

「58クラブに寄り添ってくれる人を倍にできればいい。サッカーを通じて幸せそうな人たちを国内外でこれでもかと見てきた。サッカーがダメになることはない。絶対大丈夫だと確信している」(奧山次郎、川峯千尋)

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