深層リポート

山梨県がふるさと納税増へ本腰 目標は全国6位の同県富士吉田市

今年の出荷が始まったシャインマスカット。ふるさとの納税の返礼品としても人気だ=11日、山梨県山梨市(平尾孝撮影)
今年の出荷が始まったシャインマスカット。ふるさとの納税の返礼品としても人気だ=11日、山梨県山梨市(平尾孝撮影)

山梨県がふるさと納税寄付額増に本腰を入れる方針を打ち出した。令和3年度の寄付額は過去最高だったが、県内市町村トップで全国6位の富士吉田市の8分の1程度に留まるのが現状。少人数教育など独自の施策推進に向け自主財源を確保する必要性もあり、県は富士吉田市水準までの増額を目標に、県庁あげて取り組む構え。

前年度の5倍

山梨県は4月27日、長崎幸太郎知事を本部長とする「ふるさと納税推進本部」を設置した。5月下旬をめどに、若手を中心とした公募による職員10人程度でワーキンググループ(WG)を作り、新たな返礼品の開発や効果的な情報発信のあり方などを検討していく。

県の3年度のふるさと納税寄付額は前年度の約5倍となる8億7800万円。返礼品では件数ベースで全体の46%が高級ブドウのシャインマスカット、34%が桃と、県産果実が8割を占める。

リピーターが多いことに加え、特に2~3年度は新型コロナウイルスの感染拡大で観光など旅行を見送った人が、県産果実を返礼品として求めるケースが増えたためとみられる。

県上回る3市

しかし、県への寄付額を大きく上回るのが県内トップの富士吉田市。2年度は58億円で、3年度は70億円を超える見込みという。2年度実績では、2位の山梨市が17億円、3位の笛吹市が14億円で、いずれも県を大きく引き離している。

富士吉田市はネクタイや傘など地場の機織り製品やミネラルウオーター、羽毛布団、ドリップコーヒーといった多様な返礼品を用意しているのが特徴だ。富士山の展望設備として世界的に知られる新倉山浅間公園のデッキの大規模改修にも、ふるさと納税の仕組みを活用した。これらの工夫で、2年度のふるさと納税寄付額は全国6位となった。

長崎知事は、ふるさと納税推進本部の初回会合で「富士吉田市の取り組みを見習って、一歩でも近づき、願わくば追い越せるように取り組みたい」と発言。「まず、58億円の富士吉田市を目指す」と明言した。

会員限定記事会員サービス詳細