好調が続くリフォーム市場で、住宅設備機器メーカーの競争が激化している。新型コロナウイルス禍で在宅時間が長くなり、衛生や健康、快適性などの観点から、浴室や台所といった水まわり設備の見直し需要が上昇。部分的な工事で済む手軽さが人気の「プチリフォーム」などを主戦場に、ニーズに応じた商品を続々と繰り出す。ただ、コロナ禍が落ち着けば消費動向が変わる可能性がある上、原材料費の高騰という懸念要素も加わり、業界は需要のつなぎとめに躍起だ。
浴室で一般的な縦長タイプの鏡。両脇には同じ長さの可動式のアームが付いている。シャワーから湯を出し、鏡の下にあるレバーを下げると、左右のアームに5カ所ずつ付いているノズルから湯が噴き出した。温度を感じやすい首や肩、冷えやすい足に、それぞれ湯を当てやすいよう一番上と下のノズルは可動式で水流も強め。その他からは霧状に出るため、胸部や腹部をまんべんなく暖気が覆う。
住宅設備メーカーのLIXIL(リクシル)が6月から販売する「ボディハグシャワー」を東京都内で体験した。数分で全身が温まり、商品名の通り「湯に包み込まれている」ような感覚だった。