40年後の「私」に届いた作文 東京・あきる野市のタイムカプセル

掘り出されたタイムカプセル=14日午前11時10分、あきる野市(外崎晃彦撮影)
掘り出されたタイムカプセル=14日午前11時10分、あきる野市(外崎晃彦撮影)

東京都あきる野市で14日、40年前の小学4年生約900人の作文などが入ったタイムカプセルが地中から掘り出された。平成7年に五日市町と合併してあきる野市となった秋川市が昭和57年、市制10周年を記念し、10歳前後の小4児童らの作文と広報誌などを封入したタイムカプセル。開封式には当時の児童約80人も参加し、歳月を超えて現れた過去の自分と〝再会〟した。

カプセルは昭和57年5月5日、現在のあきる野市二宮にある中央公民館の広場の一角に埋められた。上には石碑が置かれ、秋川市制50周年となる40年後に開封する予定だった。

しかし、長い歳月の間に市の合併などで資料が失われ、封入式の参加者や連絡先、封入物の詳しい内容などが分からなくなっていたという。

予想より深く

あきる野市は、封入式のビデオ映像など残された少ない記録を手掛かりに、公式サイトなどで参加者らを探し、開封式への参加を呼び掛けてきた。その結果、当時の児童ら約80人が集まる見通しとなり、式を開催する運びとなった。

14日の式には、児童代表としてビデオに写っていた2人のうちの一人、横山敦さん(49)や、当時の秋川市長でタイムカプセルを発案した臼井孝さん(81)も駆け付けた。

掘削作業は午前10時過ぎに始まり、重機で掘った後、スコップによる手作業で進められた。埋設地点が地下1メートル以上と想定より深かったことなどから難航。予定時間を大きく過ぎた11時過ぎに掘り出された。

カプセルは直径60センチほどの銀色の金属製の球体。近くのホールに運ばれ、上部を壊して書類などの束が取り出されると、元児童らの家族や教育関係者を含む約120人の参加者から歓声が上がった。

想定外の内容も…

カプセルには約900人分の作文のほか、市の広報誌やポスター、電話帳なども入っていた。作文は市内の8つの小学校の4年生児童らが書いたものだ。

児童代表だった横山さんは開封前日、産経新聞の取材に「埋設した記憶はあるが、作文に何を書いたのかはまったく覚えていない」と話していた。くしくも次女のあいさんが現在10歳で、「同い年の父が書いた文章をどう思うのか。変な内容だったら怖いですから、見せるのは自分で確認してからですね」。

掘り出された作文を目にした横山さんは、思わず驚きの声をあげた。「秋川市の未来」と題した内容は、「1999年に地球ぜんめつするうわさ」などとした5行の文章のほかは、爆発する地球の絵。横山さんはしきりに「恥ずかしい」と話し、顔を赤らめていた。

元秋川市長の臼井さんは「将来の人が開けたときに、いっそう市を発展させようと思ってもらいたいという思いを込めて埋めた。子や孫たちの世代がどんどん栄えるよう願っている」とあいさつした。あきる野市は今後、掘り出したカプセルの中身などを市役所で展示する予定だという。(外崎晃彦)

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