愛猫の採尿、自宅で簡単に ストレス解放

猫用の採尿器「にゃんぷりんぐ」と猫の「ジェイ」(堀江祐子さん提供)
猫用の採尿器「にゃんぷりんぐ」と猫の「ジェイ」(堀江祐子さん提供)

手軽な「おしっこチェック」で、愛猫の健康を保つ手助けを。茨城県日立市の設計士堀江祐子さん(51)が開発した猫用の採尿器「にゃんぷりんぐ」が、泌尿器系の病気にかかりやすく、負荷の高い検査を受けている猫にとって、救世主になると注目を集めている。

普段使いのトイレで排尿の姿勢をとったら、手持ち部分のついた楕円形の容器をお尻の下にそっと差し込む。用を足し、砂をかけるしぐさをする前に引き抜けば完了だ。

猫用の採尿器「にゃんぷりんぐ」の販売セットの一例(堀江祐子さん提供)
猫用の採尿器「にゃんぷりんぐ」の販売セットの一例(堀江祐子さん提供)

容器は自立型のため、採尿時は手を離せるから人の気配も隠せる。くぼみ部分は段差があり、一目で量を確認できる。同封されたカラーチャート付きの試験紙をひたせば、色による健康状態のチェックもできる。写真での記録もおすすめだ。

堀江さんは数年前、愛猫「ロイ」が尿中に結晶ができやすい体質と診断され、定期的な検査が必要となった。しかし病院での採尿は、尿道にカテーテルを入れたり、ぼうこうに針を刺したりする方法でストレスになる。

市販している採尿可能なトイレも使ってみたが、準備の手間や、目を離したすきにもう1匹の猫「ジェイ」が使う問題に悩まされた。試しに、厚紙を加工した容器を差し込むと採尿に成功。設計士としての腕を生かし、本格的な製図を始めた。

20社近く掛け合った末に、生産を請け負う会社が見つかった。昨年7月にサンプル容器が完成。テスト販売で量産化への準備を進め、同年「いばらきデザインセレクション2021」に選定された。オンラインショップで購入可能。動物病院での委託販売も目指す。

ストレスから解放されたロイ。今では、容器を手にすると「採尿の日だね」と言わんばかりにトイレに向かうという。

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