全国的に多い「鈴木」姓が発祥した聖地として知られる和歌山県海南市の国史跡「鈴木屋敷」の上棟式が14日、実施された。老朽化した屋敷の復元に向けた建て替え工事で屋敷の骨組みが完成した。今後は内装や庭園の工事を進め、来年3月の完成を目指す。
鈴木屋敷は、藤白神社の敷地内にある木造平屋。上棟式には関係者ら約60人が出席し、屋根の中心となる棟木が打ち込まれる様子を見守った。屋敷の発展を祈願する儀式も行われた。
鈴木姓が多いとされる関東地方を拠点とする「関東藤白鈴木会」会長の鈴木久元さん(84)は「長い歴史を持つ鈴木姓の原点として、多くの人に訪れてもらいたい」と話した。
有志らでつくる「鈴木屋敷復元の会」によると、平安時代末期の1150年ごろに地元豪族の鈴木一族が屋敷を構えた。一族が熊野信仰を全国に普及させる活動をする中で鈴木姓が広まったとされる。