ASEAN、米国に継続的関与期待 米ASEAN 特別首脳会議

シンガポールのリー・シェンロン首相(ロイター)
シンガポールのリー・シェンロン首相(ロイター)

【シンガポール=森浩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は、バイデン米政権の東南アジアへの関心を総じて歓迎している。ASEANは米中双方から適度な距離を保って利益を最大化したいとの意向が強く、中国の影響力が過度に強まることに警戒感があるためだ。米国は政権によって東南アジアへの熱量に差があるだけに、加盟国は地域への継続的な関与を求めている。

「ASEANでの米国の役割を歓迎し、米国が地域構造の一角を担うことを後押ししたい」。シンガポールのリー・シェンロン首相は14日、特別首脳会議を受け、米国の東南アジアへの関与拡大に期待を寄せた。

トランプ米政権時代、トランプ氏がASEANの重要外交行事「東アジアサミット」(EAS)の欠席を続けたことなどで、ASEAN加盟国には対米不信が広がった。

それでも米国に期待する声は強い。シンガポールのシンクタンクが加盟国の学識経験者らを対象にした調査によると、東南アジアで「政治的・戦略的に影響力のある国」は中国が54・4%で米国(29・7%)をしのいでトップ。だが、中国の影響力拡大を「歓迎する」とした回答は23・6%にとどまった一方、米国は6割を超えた。

カンボジアなど権威主義的な加盟国は、民主主義の価値観や人権を重視する米国に簡単に同調できない面がある。また、バイデン政権が導入を目指す「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)は参加国間で関税を下げる市場開放は盛り込まれない見通しで、米市場進出を狙うASEANには不満が残る内容だ。

ASEAN外交筋は「多くの課題がある中、米国がどれだけ真剣に東南アジアに関わり続けるのか、加盟国は冷静に見ている」と話している。

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