玉鷲、3場所連続の金星「信じられない」

玉鷲(右)が押し出しで照ノ富士を破る=両国国技館
玉鷲(右)が押し出しで照ノ富士を破る=両国国技館

大相撲夏場所6日目は13日、両国国技館で行われ、玉鷲は横綱照ノ富士を押し出し、3場所連続の金星を挙げた。

頭から当たって、右おっつけ、左はず。そのまま真っすぐ押し込んで、照ノ富士を土俵の下に追いやった。この間、わずか2秒。館内が大きくどよめく完勝で、玉鷲が金星をつかみ取った。

「横綱に勝ったのが信じられない。うれしいのと信じられないのと両方」。幕内最年長の37歳は、こう言って目尻を下げた。

立ち合い、照ノ富士が張り差しで来たのは想定内。「来ると思っていた。止まったら負け」と、やや当たりが甘くなった相手を一気に前へ持っていった。

一人横綱である照ノ富士からの金星は、これで3場所連続。平幕力士が同一の横綱を3場所続けて破ったのは昭和以降で5人目だ。平幕力士が金星を奪った翌場所に三役に上がったり、逆に対戦圏外になったり、横綱が休場したりと状況が許さないことも多く、直近で達成したのは昭和39年九州場所から40年春場所にかけて横綱栃ノ海に勝った大豪。実に57年ぶりの記録である。

玉鷲が常に幕内上位に位置し、武器である「押し」を地道に磨いているからこそ成し得た快挙といえる。元気の源は「家族」だという。6歳と3歳の2人の息子は父親が力士であることを理解できるようになってきた。

「勝ったね、負けたね言ってくれる。『良かったよ』とか。(今日の金星を)子供たちがどう思っているか分からないけど」

厳しい土俵の表情とは一変、柔らかい笑顔で帰路についた。(宝田将志)

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