岡山理科大(岡山市)の山本俊政准教授(水産工学)らのチームが、淡水魚と海水魚の両方を飼育できる独自開発の水を使った養殖研究を進めている。内陸のモンゴルで魚の養殖にも成功し、山本准教授は「高級魚などいろいろな魚を地球上のどこでも養殖できるようにしたい」としている。
チームは海水に含まれるカリウムやナトリウムを真水に入れた「好適環境水」を開発。濃度は海水より低く、これまでにニホンウナギやクロマグロなど10種類以上を育てた。いずれも「臭みがなく、脂が乗っている」と好評という。
ハタの養殖実験は2019年秋からモンゴルの首都ウランバートルで開始。火力発電所の廃熱を利用して水温を保ち、ハタ科の交雑種を育てた。約500匹の稚魚のうち8割が10カ月で出荷の目安となる1キロ以上に成長。海水で他のハタ科の魚を養殖した場合と比べて約2年早く成長したという。