米国の民主党バイデン政権が「偽情報統治委員会(DGB)」という組織を4月末に新設した。米国内や対外関係を混乱させる虚偽情報「Disinformation」を監視・管理し、反撃するための政府機関だという。国土安全保障省内に設けられた。
ところが共和党側からは「民主党側の自己に有利な言論統制だ」とする激しい反対が起きた。そのうえにこの新組織の運営責任者に任命された人物がかつて、偽情報を事実だと断定していた記録があるため共和党側の非難はさらに燃え上がった。
米国政府が偽情報に特化して公式の監視や対処のための公的専門機関を設けるのは前例がない。国土安全保障省内部に新設された偽情報統治委員会の事務局長には、半官半民の研究機関ウィルソン・センターの研究員でネット上の偽情報分析の専門家とされるニナ・ジャンコウィッツ氏が任命された。