三振の山を築いてきたこれまでとは違うスタイルを見せた。13日のオリックス戦に先発したロッテの佐々木朗は、打たせて取る投球で7回を6安打1失点。開幕4連勝を飾り「抑え込もうとせず、うまく投げられた」と笑顔を見せた。
京セラドーム大阪で今季2度目の先発登板。前回の4月24日は白星は挙げたものの、5回2失点と苦しんだ。「京セラはいいボールがいかない」という苦手意識があり、この日も三回に1点を失った。しかし、ここからが並の投手ではなかった。
「四回から高いマウンドへの対応がつかめた」。相手打線が意識して食らいついてくるストレートの高さに気をつけながら、凡打の山を築く。一方でフォークボールも低めに決まりだし、三振も奪った。
2-1で迎えた六回2死二、三塁のピンチでは、バレラを2球で追い込み、145キロのフォークボールで空振り三振。井口監督は「走者を置いてからギアを上げ、要所を押さえていた」とうなずいた。
奪三振は佐々木朗にしては少ない7個だが、打たせる投球と無四球で球数は86球で収まった。術中にはまったオリックスの中嶋監督は「しっかりと振っていけたのは良かったが…」。相手の攻めに柔軟に対応した右腕の懐の深さが際立った。(鮫島敬三)