14歳の中学生が、堂々たるデビューを飾った。3日まで行われたアーティスティックスイミングの日本選手権で、比嘉もえ(AS広島)が日本代表としてチームとデュエットに登場。試合形式での演技を初披露し、6月の世界選手権(ブダペスト)に向け、「年齢は関係ない。中学生でもできるところを世界に見せつけたい」と意気込んだ。
日本代表は、昨夏の東京五輪からメンバーが大幅に入れ替わった。新たな選手が多数加わった新生の日本代表は、日本選手権にオープン参加し、各種目で演目をお披露目した。
注目を集めたのは、中学3年生の比嘉だ。代表選手で最も高い身長171センチの〝大型新人〟は、チームとデュエットに登場した。
2日は、チーム・テクニカルルーティン(TR)とデュエットTRの2種目を泳ぐなど厳しいスケジュールをこなした。東京五輪代表の26歳、吉田萌(めぐむ、ザ・クラブピア88)とペアを組むデュエットTRは、「後半はバテてしまった」と点数は伸び悩んだが、ダイナミックな演技で存在感を放った。
翌3日はチーム・フリールーティン(FR)に出場。初代表として臨んだ日本選手権を「小さいころからの憧れの舞台に立ち、緊張する場面もあった」としながらも「飛び込んだ瞬間から演技のことに集中できた」と振り返った。
もともとは、チームのみでの起用予定だった。デュエットで吉田萌と組む予定だった安永真白(井村ク)のけがにより、比嘉が抜擢(ばってき)された。中島貴子ヘッドコーチ(HC)は「華やかさやスター性を持っている」と比嘉の才能を高く評価。2024年パリ五輪、28年ロサンゼルス五輪を見据えて経験を積ませたい考えで、「長年かけて彼女を鍛えていく」と構想を語った。