原子力規制委員会の山中伸介委員は13日、東京電力福島第1原発を視察後に報道陣の取材に応じ、使用済み核燃料の取り出しに向けた調査が進む2号機原子炉建屋の最上階で、フロアに鉄板を敷き詰めたため放射線量が大幅に下がったと明らかにした。
最上階には使用済み燃料プールがあり、フロアの一部を構成する原子炉格納容器の上ぶたに大量の放射性物質が付着していることが分かっている。規制委が2021年12月に行った調査では、上ぶたの表面に開けた穴の内部で毎時100ミリシーベルトを超える放射線量が検出された。東電はその後、フロアを厚さ25センチの鉄板で覆った。
山中氏は「(鉄板による)遮蔽が効いている。今回得たデータや分析が燃料取り出しに役立つ」と話した。
2号機のプールには615体の燃料が残っており、東電は24~26年度の取り出し開始を目指している。