遺体安置所の寺で初の追悼法要 千日ビル火災から50年

千日デパートビル火災から50年となり、太融寺で行われた追悼慰霊法要=13日午前、大阪市北区(前川純一郎撮影)
千日デパートビル火災から50年となり、太融寺で行われた追悼慰霊法要=13日午前、大阪市北区(前川純一郎撮影)

118人が死亡した大阪市南区(現・中央区)の千日デパートビル火災から50年となった13日、同市北区の太融寺(たいゆうじ)で犠牲者の追悼慰霊法要が行われた。同寺は当時、犠牲者の遺体安置所となった。

この日、麻生祥光(しょうこう)住職(50)が118人への哀悼や、災いのない平和な社会を祈念する願文(がんもん)を読み上げ、僧侶らが読経した。

麻生住職によると、118人それぞれの信教に配慮し、これまで年忌法要などは行ってこなかったが、発生50年の節目にあたる今年、初めて実施した。麻生住職は「非常に痛ましい火災から50年という重い時間を感じながら供養させてもらった。犠牲者の方々への哀悼とともに、世の中に災い事が起こらないようお勤めをした」と話した。

火災は昭和47年5月13日午後10時半ごろに発生し、ビルにいた118人が一酸化炭素中毒などによって死亡した。犠牲者は現場近くの大阪市立精華小(閉校)と太融寺に安置された。

会員限定記事会員サービス詳細