MANGA議連「メディア芸術センター」設置目指す 議連の山下元法相に聞く

MANGA議連の山下貴司元法務相=4月25日午後、国会内(矢島康弘撮影)
MANGA議連の山下貴司元法務相=4月25日午後、国会内(矢島康弘撮影)

6月15日の今国会会期末と夏の参院選を控え、議員立法の制定を目指す議員連盟の動きが活発になってきた。超党派「マンガ・アニメ・ゲームに関する議連(MANGA議連)」が制定を目指す、メディア芸術ナショナルセンター整備法案について、議連で幹事長代理を務める山下貴司元法相に聞いた。

--議連の関心と活動は

「漫画、アニメ、ゲームは、文化芸術基本法で『メディア芸術』と位置付けられており、日本のソフトパワーの中心となってきた。しかし、近年は中国や韓国をはじめとする国々が日本にならって漫画やアニメを制作し、日本を凌駕(りょうが)しようとしている。コンテンツ力に目を付け、国家的支援をしていることも大きい。日本でも政治がしっかり応援すべきだとして超党派で活動しており、海賊版対策などに取り組んできた」

--4月の総会で議員立法を目指す方針を確認した

「メディア芸術センターの設置・運営を図るための法案の今国会中の提出、成立を目指している」

--センターはなぜ必要か。そのイメージは

「漫画やアニメの原画やセル画は人気が高く、かつての浮世絵のように、海外に散逸している現状がある。他方で漫画やアニメは最近、デジタルでつくられるようになっており、国立国会図書館が納本制度に基づいて保有していないものが非常に多い。センターの主な業務の一つは国会図書館と連携して原画などの資料の収集や保管だ」

--運営主体は

「センターは文部科学相が指定する非営利法人が運営する。民間の自由な発想を生かし、アーカイブ化した資料の電子的な展示・閲覧やイベントを通じ、内外に日本文化として発信してもらうことも想定している。現に韓国などはこうした取り組みをしている。日本も国家戦略としてあっていいのではないか」

--センター運営にはどの程度の国費が必要か

「基本的には指定法人が自ら資金を調達し、運営するという想定だ」

--共産党は法案に反対のようだ

「共産党は指定法人と国会図書館を組み合わせることは三権分立に反するのではないかとの主張だが、誤解を解いていきたい。国会図書館の分館は各省庁に置かれているが、それは三権分立に反するとはいわれていない。日本最古の漫画とされる鳥獣戯画は国宝だ。国民の財産の適切な収集、保管のため理解を求めていきたい」

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