楽天携帯、月額0円廃止へ 最低価格は1078円に

楽天モバイルの販売店=東京都港区
楽天モバイルの販売店=東京都港区

楽天モバイルは13日、データ通信の利用量が1ギガバイトまで0円の従来の料金プランを廃止すると発表した。7月からは最低価格1078円の新プランを開始。従来プラン利用者も新プランに自動移行する。後発の楽天モバイルは基地局などの投資費用がかさんでおり、早期の黒字化は急務となっている。実質的な値上げとなる新料金プランで収益改善を図るが、他の携帯会社への流出も懸念される。

新プラン「アンリミット7」では、データ通信量0~3ギガバイトまでは1078円、3ギガバイトを超えて20ギガバイトまでは2178円。20ギガバイトを超えた場合は利用無制限で3278円となる。

現行プランでは1ギガバイトまでは0円だが、現行プラン契約者も新プランに自動移行することから、1ギガバイトまでの利用者にとっては1078円の負担が自動的に増える。3ギガバイトで1千円程度の料金プランは、通信品質の良いほかの携帯大手3社も提供しているため、楽天モバイルのメリットが大きく薄れることになる。そのためインターネット上では新プランへの不満の声が相次いでいる。

ただ、7月以降も4カ月間は1ギガバイトまでの利用者にはポイント還元などで実質無料とするほか、楽天市場で買い物した際のポイントをこれまでより2倍分増やすなどの特典も付与し、顧客離れを防ぐ考え。

都内で記者会見した矢澤俊介社長は、新プラン開始後、契約者が他社に流出する可能性について「もちろん0ではないと思うがほとんどの人が残ってくれると思う」と述べた。

従来プランの契約者の負担が増えることについて、楽天モバイルの三木谷浩史会長は「既存顧客は当面、従来のプランを維持しようという案だったが法律的にだめということなので、ほかの(ポイント還元の)形でお返ししようということにした」と強調した。

総務省によると、従来の顧客の囲い込みを防ぐため、料金プランの新旧で顧客のメリットに差をつけることは法令で禁止しているという。そのため、楽天は新プランへの自動移行という形を取ったとみられる。

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