山形選挙区で自民に国民候補推薦案 国民民主は困惑

夏の参院選山形選挙区(改選数1)への対応をめぐり、自民党内で独自候補の擁立を見送るだけでなく、国民民主党の公認候補を推薦する案が浮上している。すでに取り組んでいる原油価格高騰対策など政策面での連携にとどまらず、両党の協力関係を選挙にまで広げようとするものだ。もっとも、求めてもいない推薦案に国民民主は困惑気味で、野党分断を狙う揺さぶりの一環とみて警戒感が広がっている。

国民民主の榛葉賀津也幹事長は13日の記者会見で「頼んでもいないのに(自民が)推薦するのは、あり得ないことだ」と語気を強めた。

山形選挙区から出馬する同党の現職、舟山康江筆頭副代表は、立憲民主党などからの支援を得て「野党」候補として参院選に臨む考えを示している。一方、自民山形県連幹部は同日、党本部で茂木敏充幹事長と会談し、「国民候補を応援するのは極めて厳しい」と直談判するなど党内からは反発の声があがっている。

山形は自民の遠藤利明選対委員長の地元で、自民が独自候補の擁立を見送れば、全国の選挙区の中で唯一、自民候補がいない空白地帯となる。国民民主関係者は「舟山氏に勝てる候補を見つけられない遠藤氏に抱きつかれているだけだ」と指摘する。

国民民主内では、山形選挙区で自民の推薦を受ければ、立民が対抗馬を擁立してくるとの見方が根強い。実際、立民幹部は「自民の推薦を受けるなら話は別だ」と対抗馬を擁立する可能性を示唆し、野党分断が進む事態が生じかねない。

もっとも、国民民主は白紙撤回となった日本維新の会との一部選挙区における相互推薦をめぐり路線対立が露呈したばかりで、山形選挙区の対応についても温度差がある。自民からの推薦を「拒否するものでもない」(幹部)という考えもあれば、「推薦なんて受けられない」(別の幹部)という意見もある。

野党分断が進んだ場合、選挙戦で漁夫の利を得るのは自民だ。榛葉氏は13日の会見で「さまざまな情報戦、心理戦にまどわされず、しっかりやっていきたい」と強調した。(大橋拓史)

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