日清食品ホールディングスの即席麺「チキンラーメン」のパッケージに使われるしま模様の配色が3月、色彩商標に登録された。色彩商標は平成27年に誕生した新しいタイプの商標で、特許庁によると登録が認められたのは9例目。ほかの商標に比べて登録のハードルが高く、日清食品も出願から約3年半、審査官による2度の「拒絶」を経て登録にこぎつけた。日清食品の法務部担当者にこの過程を尋ねると、自社ブランドへの熱い思いと、攻めの知財戦略が見えてきた。
日清食品法務部には、現在6人が在籍する「商標グループ」がある。今回の登録を担当した、弁理士で係長の幸田麻衣子さんは「登録が注目されてうれしい」。弁護士で次長の小泉志保さんは「(権利を更新する限り)永遠にこの配色は日清食品のもの、という安心感がある」と快挙の手応えを振り返る。
登録されたのは、セピア色、白色、オレンジ色の3色の組み合わせ。日清食品によると、創業者の安藤百福(ももふく)氏が知り合いの日本画家に依頼してつくられたデザインとされる。平成30年のチキンラーメン発売60周年を機に、色彩商標への挑戦を決めた。