紙の宝石「蔵書票」の世界展 栃木・鹿沼の川上澄生美術館

約300点の蔵書票を紹介している企画展=鹿沼市立川上澄生美術館
約300点の蔵書票を紹介している企画展=鹿沼市立川上澄生美術館

本の所有者を示すために見返し部分に貼る「蔵書票」の世界を紹介する「書物を彩る蔵書票」展が、栃木県鹿沼市睦町の同市立川上澄生美術館で開かれている。前期(6月26日まで)、後期に分けて一部作品を入れ替えながら、9月4日まで開催される。

蔵書票は15世紀ごろの欧州で発祥し、日本では明治33年に文芸雑誌「明星」で初めて一般に紹介された。その後、川上澄生をはじめさまざまな芸術家が版画によって多くの蔵書票を制作した。大きさは主に名刺など手のひらに乗るサイズ。依頼主の趣味や制作者の工夫を凝らした芸術性の高さから「紙の宝石」とも称されている。

企画展では、日本書票協会(東京都)の所蔵作品が前・後期合わせて316点展示される。このうち前・後期共通の作品は、同館所蔵の川上澄生の蔵書票102点や南蛮船やランプなどのモチーフを共通する作品29点、川上澄生と同年代の作家の蔵書票、版木など計148点となる。

川上澄生以外では、近現代に活躍した作家の作品を前期11人、後期12人紹介。それぞれ個性的な作品を見ることができる。

同館の臼井佐知子学芸員は「今年は当館開館30周年と川上澄生没後50年。記念の企画展として多種多様な蔵書票を一堂に紹介しているので、ぜひ見に来てほしい」と話している。

期間中は随時、学芸員のギャラリートークや蔵書票を版画で刷る体験などのイベントを行う。6月5日まで川上澄生が大正15年に制作した代表作「初夏(はつなつ)の風」も特別展示している。

入館料は一般300円、高校・大学生200円、小・中学生100円。開館は午前9時~午後5時(最終入館は同4時半)。休館は月曜日(7月18日を除く)のほか6月28日、7月19日、8月12日。

問い合わせは同館0289・62・8272。(松沢真美)

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