愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)を巡る署名偽造事件で、地方自治法違反(署名偽造)の罪に問われ、1審名古屋地裁で懲役1年4月、執行猶予4年の判決を受けた広告関連会社の元社長、山口彬被告(39)の控訴審初公判が12日、名古屋高裁(吉村典晃裁判長)で開かれ、検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。判決は26日。
閉廷後、弁護人は取材に「主張は(1審判決の)量刑不当のみだ。自首を認めたのに検察側の求刑通りの判決で、執行猶予も長い」と述べた。
1審判決などによると、元県議で運動事務局長の田中孝博被告(60)=同罪で公判中=と田中被告の次男、雅人被告(29)=同罪で有罪確定=らと共謀し、令和2年10月、佐賀市の貸会議室に集めたアルバイト3人に、有権者計71人の氏名を署名簿に記載させた。1審判決は、山口被告が、署名を偽造する会場やアルバイトを確保するなど「不可欠で重要な役割を果たした」と判断。「田中被告から誘われ、著名人と人脈をつくりビジネスチャンスを期待した」と非難した。